前回、J-POPとボカロ曲のターゲット曲15曲ずつの歌詞を分析し、この2つの結論を得た。
★結論1:
カッコイイ系ボカロ曲として多くの共感を得たいなら
「困難の克服」「努力の美化」はNG。
アニソンの歌詞は参考にしてはいけない。
★結論2:
カッコイイ系ボカロ曲として多くの共感を得たいなら
女性的要素は薄めるべし。
女声ライブラリを使ったとしても、一人称は「僕」にすべし。
それからもう一つの気づきがあったのだが、それは単語ではなく、歌詞そのものを眺めてみてわかった、歌詞コンセプト、主張の組み込み方の差だ。
J-POPは、
どの曲も7-8割が頻出単語の組み合わせで同じような感じしかしない。
が、結構長めの英文が組み込まれていることが多く、それで主張を差別化している。
この英文部分は間違いなく曲ごとに異なる単語、フレーズが使われている。
また、Aメロ、Bメロ、サビで日本語部分の歌詞の雰囲気が大きくは変わらないことが多い。
なんとなく、プロが短納期で雰囲気に合わせて単語をはめ込んで作り上げた感じしかしない。
しかし、どの一部を切り取っても一定の雰囲気が伝わるようになっている感じだ。
CM、劇半、BGMに使いやすいようになっているのと、Vocalistのキャラクタを構成している感じだ。
一方でボカロ曲は、
Aメロで状況描写 (視聴者を歌詞の世界に引き込む)
Bメロで問題提起 (どうなんだろうというドキドキ感を付加)
サビでテーマの主張 (盛り上げておいてドッカーン(どや顔))
と明確に分かれていることが多い。
作者が言いたいことを明確に主張している感じだ。
なので劇的、ドラマティックではあるが、全体を聴いてみないと言いたいことがわからないことも多い。
英語も使われるが、センテンス丸ごと使われることはほとんどない。
これは、視聴者が若くて英語があまり理解できないのと、ボカロ自体が英語が不得意ということからきているものと思われる。
また、ボカロ曲としての頻出単語への集中度はJ-POPよりは低く、半分近くが、その曲でしか使われないような珍しいものや難解な言葉が出てくる。
しかしそれも半分程度で、やはりもう半分は共通的な頻出単語が使われている。
こう見るとボカロ曲の作詞は一見難しいように見えるが、そうでもないように思えてきた。
a: テーマの主張は日本語でしっかりとやればよい
⇒Aメロ、Bメロ、サビで何を訴えるかシナリオを作ればよい
b: 歌詞全部がテーマに関係あるものでなくても半分程度でよい
⇒スキマを頻出単語で埋めればカッコはつく
c: 気を使って聴く人にわかりやすくする必要はない
⇒むしろ難解な方がカッコよい。厨二ウケもよい。
テーマをハッキリさせ、特徴ある単語、フレーズをいくつか確保しさえすれば、あとは
ボクが編み出した「歌詞シナリオシート」を使って構成できる可能性は十分ある、
ということが分かった。
★結論3:
カッコイイ系ボカロ曲として多くの共感を得たいなら
Aメロで状況描写
Bメロで問題提起
サビでテーマの主張 の構成にし、
英語はセンテンスでなく単語レベルの使用におさえ、
特徴ある単語、言い回し、難解な内容で中核となるテーマ、ストーリーを
歌詞の半分くらいに入れ込むべし。(残りは頻出単語を適当にちりばめる)
ということだから、少なくとも最初の2-3曲は自分で作詞をしてみることにする。
やってみてクオリティが上がらなかったら作詞家とコラボも模索するかもしれないが。
これでだいたい方針が決まった。
さあ、とりかかろう。
実は、20代のころに作った未発表の曲の中から、どの曲をピックアップし、どういうアレンジにするか、数曲の候補がイメージレベルで出来上がってきた。
そのうちの1曲について、いよいよ先週から制作にとりかかったところだ!
曲は20世紀に作ったものだが、アレンジと歌詞は最近のJ-POP/ボカロターゲット曲30曲のエッセンスを注入する。
まさに、20.5世紀ワールドの体現だ!!
今の感じだと投稿まで数か月はかかりそうだが、しっかりとターゲッティングと分析をしたことで、着々と具体的になってきている。
さあ、今度こそウケる曲が作れるのか??!!
リベンジ成るか!!
次回は見直した制作手順について書くぞー!
乞うご期待!
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